月代文雪の日記。 シルバーレイン参加者以外はすぐお戻りくださいませ。
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プロフィール
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月代 文雪
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男性
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気付いたのは
ただ自分が人殺しだということ
幾度、「時よとまれ」と願ったか
幾度、「心臓よとまれ」と命じたか
幾度、「現よ、虚と帰せ」と叫んだか
幾度、父や母を、呼んだだろうか
幾度、兄を呼んだだろうか
幾度、泣き叫んだだろうか
幾度、己が身を呪ったか
幾度、死に向かったか
幾度、のうのうと生き延びたか
幾度、自分の居ない世界を、 美しい世界を 思い描いたか
「薄汚い化物が!!」
「消えろ!化物が! 聖職者の皮をかぶった人食いが!」
「今こそこの化物殺す時だ、皆、やれ!」
両親を殺しても貴方達はまだ気が、すまないのですか?
それとも忘れました? 数年前、私の両親を殺したことさえも。
愚かですね
愚か過ぎて笑いが出る
“化物”と戦うにはいささか貴方達では力量不足ということを知ってほしいんですが
「・・・殺したければ殺せばいいじゃないですか」
もうどうにでもなれ。
そんな思いばかりだった。
死んだって誰も悲しまないだろう
空白。
・・・自分が何をやらかしたかははっきり言って覚えてない。
ただ見たのは真っ赤に染まった自分の服と
真っ赤な湖――血溜まりに倒れる人。
怖かった。自分が何をしたか覚えていないぶん、それ相応に。
がたがた体が震えた。
いくら、自分に向かってきた人間とはいえ。
血だらけになって倒れているのは怖くて。
覚えはなくても、彼らを殺したのはきっと、私。
「あ、ぁあぁああぁああぁああぁあぁぁあ・・・!!」
血だらけの手で顔を覆った。
私はやっぱり化物なんだと
自ら、証明してしまったも同然だ。
化物は大人しく退治されるべきだった
今になって、そう、思う――
最後の瞬間はまだこない
大切な日々と別れたいわけではないけれど
でも、もういない
私を覚えていてくれて
私を思ってくれる人なんて
もう、居ない。
もう、居ない。
未来にも、きっと居ない。
それでもいい、と。
それでもいい、といつか笑って言える日は来るのだろうか。
哀しくなんてない
そう言い聞かせないで済む日は、いつか来るのだろうか。
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